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1. |
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寄せるテロ 波の鼓動
うねる 幼いゲノムの根
森 揺れ 虫 果てる
山 谷 墓
殻割り 肉 芽吹く
街 人 墓
淀み溢れた全て
七日の火で禊げ
迫る未来 無垢の調停
動く 仕組まれた世界
咲いて 枯れて 屍
忘れてしまう
裁定 光で 塵となる
淀み溢れた全て
七日の火で禊げ
液 燃え 地面 裂ける
土 髄 墓
風 荒れ 翅 軋む
天 星 墓
淀み溢れた全て
七日の火で禊げ
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2. |
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飛び出したあの日を思い出す。もう戻れない。戻りたいとも永遠に思えない
ここじゃないと繰り返すうちに感情は凍えた。おどけたような顔をしても一人ここでは
この目が見てきたものは全て朽ち果て、とめられない歩み続けるうち果てる
口だけのやつがいたこと自体が懐かしい。明日は自分の番と思い目を閉じる。無理だ全部。
無くした消毒液と増えた傷跡、いつかの少年もきっとこの後を通る
見つめる虚空見つける星の知らせ。衝動的に駆け出す息を切らせて
聞かせてくれ。いつかはもう過ぎてしまったのかと。誰にも与えられなかった彼のご加護
もう過去。飽きてしまったしこれ以上は見たくない。きっと僕は僕を忘れる。日が暮れる。
引き出す記憶一つ残らず おそらく間も無く消えていく
伸ばした手はあのひに届かず 溶かした境界をすべて知る
何かの足音を聞いた気がした。何者もいないはずじっと見つめた
植物に覆われたマンションの窓辺、ダンジョンのようだ全部とらえる一人この目が
この手が手繰り寄せた糸は限りなく細くすぐに終わりきっとだと失望が襲う
詰問は自ら出た錆の味今いるのはこの星の端の端の端
その先、何があるか再度聞いてみる甘い光に。まぶしさに奪われる視界と強い痛みに
来た道を振り返ると足跡は消え 行く道の行き先はこれまでに来た道
そろそろもう最後、零れ落ちる脳細胞。荒廃した地とあの頃をお手玉
母体の無い意思の行き先残せるなら、今度は言えるかな。あと、それから
引き出す記憶一つ残らず おそらく間も無く消えていった
伸ばした手はあのひに届かず 溶かした境界をすべて知った
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3. |
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見つめあって
混じりあって
ぬるくなった腕の中で
夏の夢を見よう
朝の日差しを受け
光る真珠の影を
手で掬って擦ったら
言葉はもういらない
見つめあって
混じりあって
ぬるくなった腕の中で
夏の夢を見よう
一つ前の波はもう撓んで
許せる
一里先の岸が孤に見えて
泳げるはず
見つめあって
混じりあって
ぬるくなった腕の中で
夏の夢を見よう
重ねあって
笑いあって
結び合った二人僕ら
明日の夢を見る
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4. |
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剥がれた未来を
数えて日が暮れる
求めた楔は
ただのアイ
明日の羽さえも
閉じては木に留まる
拗れた寝相で
目を覚ます
裸足になって 吸っては吐いて
浮き上がる僕ら
羅線を描いて 血膿を切って
まだ祈らない
剥がれた未来は
掠れて血に溶ける
求めた楔は
ただのアイ
剥がれた未来を
数えて思い出す
求めた楔は
ただのアイ
明日の羽さえも
閉じてはまた開く
拗れた寝相で
目を覚ます
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5. |
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何度目の夏 何度目の繰り返し
何度着た白いシャツ
ハッとして今 やってきたあの町から
省みた手のひら 白 白
流れ着いた日の声も 重ね合った一呼吸と
混ざり溶けていく
潤み切った思い出も 潮の引いた輪の外へ
掠れて消える
何度目の夏 何度目の繰り返し
何度見た赤い世界
ハッとした時 やってきたあの言葉で
省みた手のひら 白 白
失っては最初に出戻り その度に読み込むフィロソフィー
嘘本当の間で跨る 揺れる線路
でも本当の答えを知るまで その温度の笑顔を見させて
凪に帰るまで
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